EXCALIBUR
DECODIA
EXCALIBUR - DECODIA
質量を伴った情報としての"何処でも成立する物体"とは何か?
暗号化・符号化されたデジタル情報を元のアナログ信号に解読・復号する事を【デコード】と言う。
「DECODIA」とは、"解読された世界"という意味を込めた自身の造語である。
日の入から日の出まで、VJソフトウェアによるビデオ・インスタレーションを公開制作し、日の出から日の入まで、アクリル絵具による絵画を公開制作する。
連日、前夜のビデオ・インスタレーションから切り取った1フレームを絵画に変換し、会期中に9枚の絵画を生成する。
この行為を、デジタル情報からアナログ信号へのデコードと捉える。これは光(RGB)から色(CMYK)へのデコードも意味する。
そのアナログ信号へと解読された絵画をコンピュータに取り込み、当夜に再びデジタル情報へと暗号化されたビデオ・インスタレーションを生成する。
本来、デジタル情報を人間が知覚している状態はデコードされている状態なので、ビデオ・インスタレーションの時点で機械的には解読されている。
しかし、自身は機械での符号⇔復号において、デジタル情報の深層の意識、言わば、ビットの夢のようなものは解読し切れないと考える。
その深層に眠る可逆圧縮された機械の精神を、デコーダとしての人間の身体が展開を試みる。
デコーダとしての身体が介在する過程で、情報における量子化誤差は増幅し続け、非可逆なる地点も増幅する。
これは、人間ゆえの不完全なデコードを繰り返す中、最後まで可逆し続け残るバイナリの情動への解読を試みる身体性を伴う精神実験である。
それは、暗号化・符号化された現代社会における約束のフィールド「DECODIA」へのヒューマン・コンパスとなる。
EXCALIBUR - DECODIA
公開制作「DECODIA」
会期: 2014年2月12日(水)〜21日(金) 会期中無休
時間: 0:00-24:00(最終日-18:00) 24時間営業
料金: 無料
会場: なんなんな
住所: 〒790-0847 愛媛県松山市道後緑台11-34
電話: 089-904-2679
関連企画「キーボードアートをつくろう!」
廃材のパソコンキーボードを使用して、自分だけのオリジナル配列のマスクを制作します。
マスク以外でも何を制作しても自由です。キーボードを配列したい素材があれば持参下さい。
日程: 2014年2月15日(土)〜16日(日)
時間: 10:00-13:00 14:00-17:00 18:00-21:00
料金: 1800円
予約: info@entaku.net
EXCALIBUR http://www.entaku.net/
成果発表「DECODIA」
会期: 2014年2月22日(土)〜3月2日(日) 会期中無休
時間: 12:00-18:00
料金: 無料
会場: なんなんな
住所: 〒790-0847 愛媛県松山市道後緑台11-34
電話: 089-904-2679
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EXCALIBUR
田中良典によるソロサークル。バーチャルネットアーティスト。
"ストリート・イーサネット・フィールド"へ浸透する「metabit」という代替現実ゲーム概念を主軸に、一作家の創作スタイルを超えた、多様性を表現する為の装置としての機能を担う。
実在/非実在を交錯させたメンバーにより、個人的な記憶や感性を"日本⇔神話"の再生から大衆的なイメージに変換する美術で、全ての境界線を曖昧にする。
松山での活動
グループ展
2012 「時感」道後の町屋/愛媛(as 田中良典)
イベント
2012 「道後芸術温泉」道後坊っちゃん広場/愛媛(as EXCALIBUR)
2012 「キメラクター」大街道商店街 お楽しみ券交換所/愛媛(as EXCALIBUR)
2013 「わくわく三津浜(初)」三津浜商店街/愛媛(as EXCALIBUR)
2013 「非時合鏡」三津浜商店街/愛媛(as 真名井良秀)
2013 ほんわかぱっぱ「RUMBA.LOCO feat. MADMEXX」道後商店街/愛媛(as EXCALIBUR)
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田中良典(EXCALIBUR)
1978年、京都府に生まれた美術家・田中良典は、2001年に色鉛筆とアクリル絵具による絵画から美術活動を開始する。
少年期に多大な影響を受けたビデオゲームを中心としたキッズカルチャーを表現の源泉とし、その制作時に感応した神話性と同時代性を交差する事によって生じる、ある種の社会性をキャンバスに描画していく。
2005年以降、インターネット時代の到来と共に別名義・EXCALIBURを名乗り、制作媒体をコンピュータ中心としていくが、そのコンピュータで描画するグラフィックは、少年期のレトロゲームを想起させながらも現実の歴史や政治を扱い、常に仮想と現実を寄り添わせる意志の下、制作している。
同時期に音楽や映像の制作も開始するが、その音楽・映像は電子的な郷愁に溢れ、作家のレトロゲームへの愛情が垣間見える。
2008年には、インターネット時代を取り巻く神話性から、田中は自身初となる立体の制作も開始する。
その立体制作は、様々な物質の全面にパーソナルコンピュータのキートップを貼付していく手法で、数多の展覧会において高い評価を受け、現在まで田中の代表作となっている。
作家がビデオゲームと共に拘る神話性は、自身が生まれ育った京都という環境からの影響を無視する事は出来ない。
近年では、美術活動と並行してクラブでのVJ(ビデオジョッキー)活動も開始し、美術で培った感覚をVJで表現し、その現場で得た感覚を美術へフィードバックさせる相互作用を試みている。
美術空間へのフィードバックの例としては、ミラーボールやDJ・VJを使用した体験型アートを発表している。
体験型アートは、作家の地方におけるアートプロジェクトへの参加を促進し、幾つかの実験的な行為も継続的に行われている。
美術家・田中良典は、EXCALIBURとして様々なメディアを駆使しながらジャンルレスに活動しているが、根本にある作家性は一貫している。
過去におけるキッズカルチャーから現在におけるクラブカルチャーまで、遊戯(ゲーム)という現場からの霊感を増幅させ、仮想現実の観点から社会生活を批評し、未来の日本神話に繋がる現代美術を日々制作し続けている。