Projection Reality
EXCALIBUR - Projection Reality
質量を伴った情報としての"何処でも成立する物体"とは何か?
この世界は透過する皮膜が幾重にも連なり現実を推定している。
その皮膜を階層として捉えると上下方向に注視するが、実際は自身を座標軸として同心円の球層を放射している。
球層は一種のスクリーンであり、伝送帯域幅により時として低解像度のブロックノイズを発生する。
これは夕刻に起こりやすく、逢魔時と呼ばれるフィルムの脆弱性である。
その手を伸ばして触れられない皮膜は自身が都合良く改変している世界で、皮膜の向こう側から公権力は絶えず此方を覗いている。
我々は公権力に対して盲目であり、その存在にも決して触れる事は出来ない。
本展である「Projection Reality」は、"公有・意匠・盗用"を再生する美術展である。
シンボルという概念を媒質として、非物質と改変されている光を伝播し、皮膜の向こう側に潜む公権力というデータの正体を投影する。
これは、言わば霊魂を捕まえる公式のようなものである。
不可視⇔不可触の皮膜をフェードする行為であり、現実をトランジションする象徴となる。
日本社会における同時代性を内在する神籬として、映像的思考から公共の神性を計画する。
それは、現代において確かに存在する禁足地へ渡航する為のパスポートの申請である。
EXCALIBUR - Projection Reality
サークル展「Projection Reality」
会期: 2014年7月21日(月)〜26日(土) 会期中無休
時間: 10:00-18:00
料金: 無料
会場: なんなんな
住所: 〒790-0847 愛媛県松山市道後緑台11-34
電話: 089-904-7346
関連企画「オープニングパーティー」
初日に、ささやかながらオープニングパーティーを開催致します。
20時からVJショーも開演致します。どなた様もお誘い合わせの上、お気軽にご来場下さい。
日程: 2014年7月21日(月)
時間: 18:00-21:00
料金: 1000円(ドリンク付)
問合: 089-904-7346
EXCALIBUR http://www.entaku.net/
EXCALIBUR - Projection Reality
EXCALIBUR
田中良典によるソロサークル。バーチャルネットアーティスト。
"ストリート・イーサネット・フィールド"へ浸透する「metabit」という代替現実ゲーム概念を主軸に、一作家の創作スタイルを超えた、多様性を表現する為の装置としての機能を担う。
実在/非実在を交錯させたメンバーにより、個人的な記憶や感性を"日本⇔神話"の再生から大衆的なイメージに変換する美術で、全ての境界線を曖昧にする。
松山での活動
グループ展
2012 「時感」道後の町屋/愛媛(as 田中良典)
イベント
2014 「DECODIA」なんなんな/愛媛(as EXCALIBUR)
2013 ほんわかぱっぱ「RUMBA.LOCO feat. MADMEXX」道後商店街/愛媛(as EXCALIBUR)
2013 「非時合鏡」三津浜商店街/愛媛(as 真名井良秀)
2013 「わくわく三津浜(初)」三津浜商店街/愛媛(as EXCALIBUR)
2012 「キメラクター」大街道商店街 お楽しみ券交換所/愛媛(as EXCALIBUR)
2012 「道後芸術温泉」道後坊っちゃん広場/愛媛(as EXCALIBUR)
EXCALIBUR - Projection Reality
田中良典(EXCALIBUR)
1978年、京都府に生まれた美術家・田中良典は、2001年に色鉛筆とアクリル絵具による絵画から美術活動を開始する。
少年期に多大な影響を受けたビデオゲームを中心としたキッズカルチャーを表現の源泉とし、その制作時に感応した神話性と同時代性を交差する事によって生じる、ある種の社会性をキャンバスに描画していく。
2005年以降、インターネット時代の到来と共に別名義・EXCALIBURを名乗り、制作媒体をコンピュータ中心としていくが、そのコンピュータで描画するグラフィックは、少年期のレトロゲームを想起させながらも現実の歴史や政治を扱い、常に仮想と現実を寄り添わせる意志の下、制作している。
同時期に音楽や映像の制作も開始するが、その音楽・映像は電子的な郷愁に溢れ、作家のレトロゲームへの愛情が垣間見える。
2008年には、インターネット時代を取り巻く神話性から、田中は自身初となる立体の制作も開始する。
その立体制作は、様々な物質の全面にパーソナルコンピュータのキートップを貼付していく手法で、数多の展覧会において高い評価を受け、現在まで田中の代表作となっている。
作家がビデオゲームと共に拘る神話性は、自身が生まれ育った京都という環境からの影響を無視する事は出来ない。
近年では、美術活動と並行してクラブでのVJ(ビデオジョッキー)活動も開始し、美術で培った感覚をVJで表現し、その現場で得た感覚を美術へフィードバックさせる相互作用を試みている。
美術空間へのフィードバックの例としては、ミラーボールやDJ・VJを使用した体験型アートを発表している。
体験型アートは、作家の地方におけるアートプロジェクトへの参加を促進し、幾つかの実験的な行為も継続的に行われている。
美術家・田中良典は、EXCALIBURとして様々なメディアを駆使しながらジャンルレスに活動しているが、根本にある作家性は一貫している。
過去におけるキッズカルチャーから現在におけるクラブカルチャーまで、遊戯(ゲーム)という現場からの霊感を増幅させ、仮想現実の観点から社会生活を批評し、未来の日本神話に繋がる現代美術を日々制作し続けている。