11月25日、故・三島由紀夫氏の命日にちなんだ憂国忌に、これからの「日本」を再考する場として、二名の作家によるアクションを開始いたします。

没後50年を経た三島氏の影響は、薄れるどころか現在さらに大きくリアリティを増しています。本展では、故人を偲びつつも文化的側面から三島氏と対峙し、この国の未来を掴もうと試みます。

「戦前」と「戦後」という一時代を巡った日本国を舞台に、多岐に渡る表現メディアを駆使し、三島氏の多角的な活動を追憶するように「国家」という概念に迫る挑発的な一刻となるでしょう。

皆様お誘い合わせの上、是非ともご高覧下さい。

概要

「GYOKU-ON! IN DA HOUSE!! 2680!!!」


会期: 2680年11月25日(月)
時間: 10:58-
料金: 無料
会場: YouTube
結合: https://youtu.be/-7Nq70nd2UE

主催: CALIBUR http://www.entaku.net/


"防人に 行くは誰が背と 問ふ人を 見るが羨しさ 物思ひもせず"

私たちは日本という国家に住む一つの家族である。由緒ある名家であるが、隣家からの不穏な影も絶えない。
かつて、この家にMISHIMAなるものが住んでいた。そして、MISHIMAなる記憶と記録は、この家にぺたりと貼りつき今も住み続けている。

私は戦後という時代に生まれ、戦争という記録で育った。しかし、実際のところ私は戦前に生まれ、三島という記録でも育った。
戦前と戦後は、白地に赤く染まる正円のように零式へ還ってくるならば、「私」の「日本」という記憶は何処から立ち現れているのだろう。

"実は私は「愛国心」といふ言葉があまり好きではない"

これは三島由紀夫として記憶されていたある人物の言葉だが、私たちはこの言葉を深く受け止める必要がある。
官能なき現在、数多の情報に漂う私たちの国家という概念は迷い家にも等しく、富を得るための幻の家に過ぎない。

果たして、この家に住み続けているMISHIMAなるものの正体とは如何なるものか。国防という夢幻を抱いた防人歌か。あるいは、無限に増殖する鏡像の余韻か。私たちはその英霊と出会うのか。

出展作家



田中良典

現代美術家
1978年京都府生まれ。東京都在住。
「ストリート・イーサネット・フィールド」という現実や仮想またはその重なりをテーマに、個人的な記憶や感性を"日本神話"と交差しながら社会的な記録や理性に変換する美術で、クラブカルチャーやオタクカルチャーなどすべての境界線を曖昧にする。近年の主な展示に「ASIA NOW 2019」(Les Salons Hoche/パリ・2019年)、「Urban Art Fair | Paris 2018」(Le Carreau du Temple/パリ・2018年)。主な受賞に「京都国際映画祭」アート部門優秀賞(2017年・2020年)、「12th TAGBOAT AWARD」準グランプリ(2017年)。



岩田舞子

美術作家
物語と境界をテーマに、日本の時事や時節に合わせた作品やプロジェクトを制作。時事漫画「幻想戦隊レモネード」や、「第三次セカイ内戦資料館 WWW.W MUSEUM」、限界集落島でのアートプロジェクト「龍宮学校」など。

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